債務整理は2回目でもできる?債務整理を成功させるポイントも解説

2023.08.31 債務整理
債務整理は2回目でもできる?債務整理を成功させるポイントも解説

借金の返済が苦しいため債務整理をしたい。だが、過去に一度債務整理をしているため、再度できるかが不安だ。というケースは少なくありません。

そこで、本記事では、2回目の債務整理は可能か、可能だとしても1回目との違いは何なのかについて解説していきます。

債務整理は2回目もできる!

債務整理に回数制限はない

債務整理に回数制限はなく、2回目以降も可能です。

ただし難しいケースもある

詳しくは次項で解説しますが、2回目以降の債務整理は1回目のそれより条件が厳しくなります。

2回目の任意整理の場合:交渉時の貸金業者・金融機関の対応が厳しくなる

2回目の個人再生・自己破産:法律による制限かかかる。

2回目の債務整理を行うときの条件

任意整理の場合

2回目の任意整理では、債権者側が提示する条件が1回目より厳しくなります。

任意整理は債権者と債務者との話し合いにより行われるため、個人再生・自己破産のような法律の制限はなく、債権者が納得すればどのような状況でも可能です。

逆に言えば、債権者が納得しない限り和解をすることができません。

1回目の条件で返済ができなかった以上、債権者からの信用は低下するため、「毎月の返済額を多くする」、「頭金が必要」のような厳しい条件を提示されることが多いです。

個人再生の場合

個人再生には7年以内に再度の申立てができないという制限があります。

ただ、個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があり、1回目または2回目の個人再生でどちらを申立てたかによって扱いが変わってきます。

 

1回目に小規模個人再生を申立てた

1回目に申立てたのが小規模個人再生であれば、2回目の個人再生の申立てに制限はありません。2回目の申立てが7年以内でも可能で、また個人再生の種類はどちらでも可能です。

 

1回目に給与所得者等再生を申立てた

1回目に申立てたのが給与所得者等再生の場合は、その認可決定から7年を経過していないと、2回目の給与所得者等再生を申し立てることはできません。

ただし、1回目に申立てたのが給与所得者等再生で2回目の申立てが7年以内であっても、小規模個人再生であれば申立ては可能です。

まとめると、給与所得者等再生を7年以内に2回行うことができません。

しかし、2回目の個人再生の申立てが可能なケースであっても、裁判所からより厳しく事情を聞かれる、債権者から同意を得られない恐れがあるなど、1回目より条件は厳しくなります。

再生計画通りの返済が難しくなったら、再生計画の変更も視野に入れると良いでしょう。

自己破産の場合

過去に自己破産をしている場合、前回の免責許可決定が確定してから7年を経過していないと、免責不許可事由があるとして2回目の自己破産は認められません。

7年以内であっても、免責を許可することが相当であると認められれば再度の自己破産は可能ですが、あくまで裁判所の裁量による判断なので、原則として7年を経過しなければならないと考えるべきでしょう。

7年を経過すれば再度自己破産が可能ですが、次の通り、1回目より条件が厳しくなる点には注意が必要です。

 

①自己破産の原因が1回目と異なることが必要

自己破産の原因が1回目と同じだと、反省していないとみなされて免責を受けることが困難になります。

特に、2回目の自己破産の原因もギャンブルや株式のような免責不許可事由の場合は、免責を受けることは非常に困難です。

 

2回目の自己破産は管財事件になることが多い

自己破産には、手続きがすぐに終わり費用がかからない「同時廃止事件」、破産管財人が選出され破産者の財産の管理等を行う「管財事件」の2種類があります。

管財事件では、破産管財人に支払う多額の報酬が必要となり、また、破産管財人による財産の管理・処分手続きが発生するため、破産手続きに時間がかかります。

2回目の債務整理を成功させる3つのポイント

これまで解説した通り、2回目の債務整理は条件が厳しくなります。それでは、2回目の債務整理を成功あっせるにはどのような点に注意すべきでしょうか。

司法書士や弁護士に依頼する

1回目の債務整理を自身で行ったとしても、再度債務整理をする場合は弁護士・司法書士に依頼して専門的なサポートを受けるべきです。

弁護士・司法書士であれば、法的な知見から適切な対応が可能で、また、債権者との対応は全て任せることが可能なので、債務者の負担を大きく減らすことができます。

再び債務整理が必要になった理由を伝える

2回目の債務整理が必要になった理由を正直に伝えてください。

病気や家庭の事情など、本人の責任によらない事情であれば、債権者が交渉に応じてくれる可能性は大いにあります。

具体的な返済プランを考える

具体的で返済可能な計画を債権者に伝える必要があります。

やみくもに2回目の債務整理を申し立てても、また返済が困難になるのではないかと債権者に信用されません。

引っ越しなど自身の生活を見直して毎月いくら返済する、不測の事態が生じた場合の対応など、必ず完済する意思を示せる返済計画を立てなければ、2度目の債務整理に債権者側は応じてくれないでしょう。

まとめ

以上の通り、債務整理は2回目以降も可能ですが、1回目より条件は厳しくなります。同じ理由のため2回目の自己破産が困難になる、というように、場合によっては別の手続きを検討した方が良いこともあります。

弁護士・司法書士であれば、専門的な知見に基づいて的確なアドバイスが可能です。2回目の債務整理にお悩みであれば、一度専門家に相談をしてください。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号