自己破産の予納金はどのくらい?費用の目安や払えない場合の対処法を解説

2023.11.21 債務整理
自己破産の予納金はどのくらい?費用の目安や払えない場合の対処法を解説

自己破産の手続きを進めうえで予納金という費用を裁判所に納付する必要があります。

今回は、この予納金がいくらなのか、納めるのが難しい場合はどうすればよいか、という点を解説します。

自己破産の予納金とは

自己破産とは

自己破産とは、借金の返済が不能な債務者個人が裁判所に申立てをし、最終的に借金の返済を免除してもらう債務整理手続きで、これには「同時廃止」と「管財事件」の2種類があります。

同時廃止は、裁判所が破産開始決定を出すのと同時に破産手続きが終了します。申立人に、債権者に配当する財産がない場合はこちらの手続きとなります。

管財事件は、破産管財人が選任され、申立人の財産を債権者に配当するなどの手続きが行われ、同時廃止に比べると費用や手間がかかります。

次のようなケースでは管財事件になる可能性が高いとされています。

 

  • 33万円以上の現金を持っている(口座内のお金は現金に含まれない)
  • 現金以外で預貯金、車、家など20万円以上の財産を持っている
  • ギャンブルや投資などの浪費行動があった
  • 過去7年以内に自己破産を経験している
  • 申立人が個人事業主である 

 

予納金とは

自己破産を申し立てる際に、「予納金」という一定のお金を、手続き費用として裁判所に納付する必要があり、その額は破産手続きが同時廃止か管財事件かによって大きく異なります。

同時廃止の予納金 約1~2万円

管財事件の予納金 約20万円

自己破産の予納金の内訳

そして、納付した予納金は次4つの手続き費用に充てられることになります。

 

  • 破産申立手数料  1,500円
  • 官報広告費    11,859円
  • 予納郵券     4,200円
  • 引継予納金    最低20万円 ※管財事件の場合に必要となる

 

なお、これは東京地方裁判所のケースであり、破産を申し立てる裁判所によって費用内訳は変わります。

自己破産の手続き費用・予納金が払えない場合の対処法

自己破産を申し立てるには予納金が必要です。また、専門家に破産手続きを依頼する場合は着手金や報酬も必要となります。もし管財事件になってしまった場合は予納金だけでも最低20万円は必要になり、これらの費用を払うことが難しいケースも考えられます。

このいった費用や予納金を払うのが難しい場合には次の3つの対処法があります。

法テラスへ相談する

法テラスの利用により費用を援助してもらうことが可能です。

法テラスとは、法的な問題を相談できる公的機関で、法律問題の相談以外に費用面の援助も行っており、生活保護を受けている方で収入条件等の一定の条件を満たせば破産申し立ての予納金を立て替えてもらうことが可能です。

また、生活保護を受けていなくても、予納金以外の手続き費用(専門家への依頼料)であれば立て替えてもらえます。

分割払いが可能か事前に相談する

管財事件で納付が必要な引継予納金は、裁判所によっては分割払いを認めており、東京地方裁判所では最大4回までの分割が可能なようです。

全額の納付が完了するまでは破産手続きは完了しませんが、申立人の負担は減らせるため、一括払いが難しい場合は裁判所に相談をしてみましょう。

他の債務整理を検討する

自己破産以外の債務整理手続きを検討してみましょう。

借金の状況によっては、財産を残したまま借金を減額できる個人再生や、裁判所を通さず当事者同士で交渉を行う任意整理の方が向いているケースもあります。

まとめ

自己破産には「同時廃止」と「管財事件」があり、一定の財産を持っている場合などは管財事件になることが多いです。そして、管財事件になると最低20万円の予納金を裁判所に納めなければなりません。

予納金を払うことが難しい場合は、分割払いや別の手続きの検討などの手段があるため、借金の問題を解決したい方は、手続きを進める前に専門家に相談をしてください。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号