代位弁済とはどんな制度?注意点や対処法をわかりやすく解説

2023.11.21 債務整理
代位弁済とはどんな制度?注意点や対処法をわかりやすく解説

「代位弁済」という制度についてあまり聞きなれないという方がいるかもしれません。しかし、この制度はクレジットカードの利用や住宅ローンの支払い等、多くの方に関係しています。

本記事では、この代位弁済がどのような制度か、これが起こるとどのような状況になるかを説明します。

代位弁済とは

第三者が代わりに借金を返済すること

代位弁済とは、お金を借りた債務者本人以外の第三者がその借金を返済することです。代位弁済が起こると債務者本人だけが得をするように見えますが、実際にはそのようなことはなく、代位弁済をした第三者に債権が移り、債務者本人は代位弁済をした第三者に返済をしていくことになります。

代位弁済の例

Aからお金を借りたBの代わりにCが借金を返済した

  ↓

BがCに謝金を返済していく

貸し倒れのリスクを減らすための方法の1

代位弁済は債務者を救済する制度のようにも見えますが、実際は債権者の貸し倒れを防ぐ機能を持っています。

カードローンやクレジットカードを利用する際に保証人や担保は付きませんが、保証会社が間に入ることにより、いざというときには保証会社が代位弁済を行うという関係があるため、債権者は貸し倒れのリスクを軽減できているのです。

代位弁済が起こるケース

代位弁済は、借金の返済を滞納した場合に発生します。

借金の返済を遅延したらすぐに代位弁済されるのではなく、一般的に滞納が3カ月~6カ月程度で保証会社による代位弁済が起こるようです。

代位弁済後は保証会社が債権者となるわけですが、以降は単に保証会社に返済していけばいいというものではありません。代位弁済がおこると、次のようなデメリットがあります。

 

①遅延損害金が発生する

借金の返済を遅延すると、返済するまでは遅延損害金が発生します。代位弁済が起こる場合、数カ月は遅滞が続いているということなので、その分遅延損害金が膨らんでしまいます。

 

②一括請求される

当初の債務がカードローンや住宅ローンであれば分割弁済が可能でしたが、保証会社は一括で代位弁済するため、債務者に対しても一括で遅延損害金を含めた残金を請求してきます。

もし一括請求に対応できなければ、財産の差し押さえや訴訟を提起されることになってしまいます。

 

③ブラックリストに登録される

借金の返済を遅延すると、それが事故情報として信用情報機関、いわゆるブラックリストに記録されます。

ブラックリストに情報が載るとそれまで利用していたサービスの利用ができなくなるばかりか、少なくとも、記録が消えるとされる約5年間は新たにカードを作る、ローンを組むといったことが難しくなります

代位弁済を回避する方法は?

代位弁済が起こるとことは債務者にとって大きなデメリットです。そのため、代位弁済を回避するために次のような対処が必要です。

滞納をしない

まず、借金の返済を滞納しないことが一番大切です。

滞納が一定期間続かない限り代位弁済は起こらないため、毎月必ず返済日までに返済する。返済日を過ぎてしまってもできるだけ早く返済をすることが重要です。

督促の連絡を無視しない

債権者からの督促が来たらそれを無視しないでください。

一般的に、滞納が起きたらすぐに代位弁済が起こるのではなく、その前に債権者からの督促状が通知されます。これは、返済しない場合は法的措置を執るという内容の最終勧告にあたり、これを無視すると裁判の定期や代位弁済にまで発展してしまいます。

もし、督促状が来てもすぐに支払えない状況なら、債権者に連絡をしましょう。状況を説明することにより、もう少しだけ返済を待ってもらえる可能性があります。

返済が苦しい場合は専門家へ早めに相談を

司法書士・弁護士などの専門家に相談をしてください。

借金問題は放置しても解決することはなく、時間が建てば遅延損害金などが発生して、より苦しい状況になります。

専門家であれば、任意整理による交渉や、場合によっては個人再生又は自己破産により状況を大きく改善することが可能です。

まとめ

代位弁済が起こると、保証会社からの一括請求やブラックリストなど債務者にとって大きなデメリットです。

代位弁済の対策としては、なにより代位弁済を回避することが一番大切です。経済的に苦しく、毎月の返済が苦しくなってきたら、できるだけ早く専門家に相談し、状況を改善してください。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号