自己破産にはどんなメリットとデメリットがある?自己破産者の体験談もチェック

2023.12.11 自己破産
自己破産にはどんなメリットとデメリットがある?自己破産者の体験談もチェック

自己破産と聞くと、「財産や信用を失ってしまう」というイメージを持っている方がいるかもしれません。

確かに、自己破産をすると一定額以上の財産は処分する必要があり、一定期間はお金を借りることが難しくなりますが、借金の返済義務がなくなるなどのメリットもあります。

本記事では、自己破産に対し正しい認識を持てるよう、メリットとデメリットを解説していきます。

そもそも自己破産とは?

まず、自己破産とは裁判所に申立てをすることにより、一定の条件を満たせば借金の返済義務を免除してもらう債務者救済の債務整理制度です。

債務整理には自己破産以外に任意整理個人再生がありますが、この二つは自己破産とは異なり借金の返済義務をすべて免除してもらうことまではできません。ただし、後述しますが借金が帳消しになるという反面、一定額以上の財産を失うなどのデメリットも存在するので、自己破産はあくまで最終的な債務整理の手段と考えてください。

自己破産するメリット

借金の返済義務がなくなる

自己破産のメリットは、借金の返済義務がなくなるという点が大きいでしょう。元の借金の額に関わらず0にすることが可能です。

督促や取立てがなくなる

自己破産の手続きを開始すると債権者から督促取り立てがなくなります。

弁護士・司法書士に自己破産を依頼した場合、債権者は受任通知を受領した時点から債務者に直接連絡することができなくなります。また、債務額を確定させるために債務者が債権者に返済することもできないため、取り立てや返済に苦しんでいた債務者にとっては、大きな助けとなります。

最低限の財産は残せる

自己破産をする場合でも、生活必需品などの一定の財産は自由財産として残すことができるので、自己破産後に生活ができなくなるということはありません。また、自由財産の拡張」という手続きが認められれば、本来は処分されるはずだった財産を手元に残すことが可能です。

自己破産するデメリット

高額な資産を失う

自己破産をすると高額の財産は手放す必要があります。

ただ債務者に借金を帳消しにするだけでは債権者にとって非常に酷な結果となるため、価値がある財産は換価処分をして債権者に分配するのです。

換価処分される財産は以下のようなものが対象となります。

 

  • 100万円以上の現金
  • 不動産
  • 自動車
  • その他20万円以上の価値のある財産

 

ブラックリストに載る

自己破産後は信用情報機関に登録されます。いわゆるブラックリストと言われるものです。

ブラックリストに登録されると新規にローンを組む・クレジットカードを作るといった行為が難しくなります。自己破産による登録期間は5~10年なので、この間は自己資金により生活を送る必要があります。

保証人に迷惑がかかる

保証人が付いている借金があった場合、自己破産をしても保証人の返済義務まではなくなりません。

そのため、保証人がいる場合はその人とも相談の上自己破産を進めていきましょう。

まとめ

自己破産は不動産や自動車等の一定額以上の財産を手放す、ブラックリストに載るなどのデメリットはありますが、借金の返済義務がなくなるため、多重債務に苦しんでいる方にとっては有効な債務整理の手続きです。

ただし、自己破産の手続きは非常に複雑であるため、借金にお悩みの方は司法書士などの専門家に相談をしてください。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号