債務整理の費用が払えない場合はどうしたらいい?ケースと対処法を解説

2023.08.09 債務整理
債務整理の費用が払えない場合はどうしたらいい?ケースと対処法を解説

「債務整理を利用したいけど費用が心配」「債務整理を弁護士へ依頼したら報酬が高くなるのでは」といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。債務整理にはどの程度の費用がかかるのか、内訳や種類、専門家へ依頼した場合の費用相場なども知りたいところです。

ここでは、債務整理にかかる費用や内訳に加え、大まかな費用相場についてわかりやすく解説しています。債務整理の費用が払えない場合の対処法についても紹介していますので、債務整理を検討する際の参考としてお役立てください。

債務整理の種類

ひとくちに債務整理といってもいくつかの種類があり、それぞれ以下のように分けられます。

任意整理

債権者と返済方法について交渉し、利息の減免や返済条件の緩和などをしてもらう方法です。

自動車ローンは残し、リボ払いとカードローンのみ任意整理する」というように、債権者を選んで交渉できる点がメリットとなります。

ただし、債権者が希望に応じてくれない場合もあること、35年かけた返済条件は必ず守り、返済しなければならないことなどが注意点として挙げられます。

個人再生

3~5年かけて返済するように債権者へ依頼する点は任意整理と似ていますが、裁判所を通してすべての債権者へ行う債務整理であること、最大で10分の1まで借金が減額できる可能性があること、5,000万円を超える負債には利用できないことなどが任意整理とは異なります。安定した収入と返済能力があり、保有している住宅などを残したままで債務整理したい場合に向いている方法です。

自己破産

現在持っている財産を処分して債権者へ分配することで、借金を免除してもらう方法です。裁判所を通して行う点は個人再生と同様ですが、借金がゼロになる点が大きく異なります。預貯金や不動産、自動車などがあれば手放す必要がありますが、99万円までの現金であれば手元に残すことが可能です。その他財産についても、生活必需品であると認められれば、手元に残せる場合があります。

債務整理にはこうした種類や違いがあることを理解したうえで、それぞれどの程度の費用がかかるのかを詳しく見ていきましょう。

債務整理費用の内訳と相場

債務整理を弁護士へ依頼した場合にかかる費用の内訳と相場は、それぞれ以下のようになります。

任意整理の費用内訳と相場

任意整理の費用内訳は概ね以下のようになります。

 

  • 相談費用:無料~1万円
  • 着手金:無料~約5万円/1社
  • 成功報酬:数万円/1社
  • 事務手数料:実費(数万円)

 

任意整理の交渉をする債権者が多いほど、着手金や成功報酬は増えます。

また、任意整理の途中で過払い金が判明した場合には、払い過ぎた利息を取り返すことも可能です。

個人再生の費用内訳と相場

個人再生の費用内訳は概ね以下のようになります。

 

  • 相談費用:無料~1万円
  • 着手金+成功報酬:約50万円
  • 事務手数料:実費(数万円)
  • 個人再生委員の報酬:約15~25万円

 

個人再生の手続きを行う際、財産の調査や面談などを担当する個人再生委員が選任されると、報酬として約25万円を裁判所へ先に納付する必要があります。個人再生委員報酬は、弁護士などの代理人がついて専任される場合は約15万円まで減額できる場合があるため、専門家へ依頼した方が費用を安く抑えられるケースもあります。

自己破産の費用内訳と相場

自己破産の手続きにかかる費用の内訳と相場は以下の通りです。

 

  • 相談費用:無料~1万円
  • 着手金+成功報酬:約50万円
  • 事務手数料:実費(数万円)
  • 破産管財人報酬:約0~50万円(負債総額が5,000万円未満の場合)

 

自己破産にかかる費用は、個人再生とほぼ同様となりますが、負債総額と債務者が保有する財産の総額によって、破産管財人へ支払う報酬の額が大きく異なります。

同時廃止の場合、破産管財人報酬はかかりませんが、少額管財の場合は20万円、通常の管財事件は40万円程度となります。少額管財を利用して自己破産する際は、弁護士へ依頼することが前提となるため注意が必要です。

債務整理の費用が払えない場合の対処法

債務整理を専門家へ依頼したくても、費用が払えるか心配で躊躇してしまう場合は、以下の対処法を参考にしてみましょう。

初回相談時に返済方法を確認する

法務事務所などでは、初回無料で相談に対応してくれるところがあります。まずは無料相談を利用して、自分のケースではどの債務整理が利用できるのか、その場合の費用など、不明な点は細かく質問や相談してみるとよいでしょう。

費用についても、分割払いや成功後の支払いに対応してくれる場合もあります。実際に相談してみることで、話しやすさや信頼感の有無などをチェックすることも可能です。不明点がクリアになれば、依頼のハードルも低くなることでしょう。

初回無料とはいえ、勇気を出して相談の連絡をしたのに弁護士があまり話を聞いてくれなかった、というケースもあります。知名度が高くても個人の債務整理にはあまり対応していない弁護士事務所などの場合は、前向きに依頼を検討してもらえない場合もあるため、債務整理の実績が豊富な専門家を選ぶことが大切です。

法テラスを利用する

どうしても費用を抑えたい場合、自分自身で債務整理することも不可能ではありません。

しかし、複雑な書類の作成や裁判手続き、債権者との話し合いなど、難しい交渉も多いため、あまりおすすめはできません。

自力での手続きを検討するのであれば、法テラスを利用してみるのも1つの方法です。法テラスとは、法律に基づいて設立された誰でも法的支援が受けられる機関です。法テラスを利用することで弁護士費用を立て替えてもらえるほか、生活保護を受給している場合は弁護士費用をかけずに債務整理を行うことも可能です。

ただし、費用が安い分、弁護士を選ぶことができない点はデメリットとなります。債務整理は依頼する専門家の手腕によっても結果が異なるリスクがあるため注意が必要です。また、収入が高いと利用できないといった利用条件もあることを理解しておきましょう。

司法書士へ依頼する

法テラスは利用できないが、弁護士費用も余裕がなくて払えない」という場合は、債務整理の実績豊富な司法書士へ依頼する方法がおすすめです。自己破産で少額管財に持ち込む予定がない場合や、1件あたり140万円以内の債務整理なら、司法書士へ依頼することで依頼費用を低く抑えることができるでしょう。

みどり法務事務所では、債務整理の取扱い実績が豊富な司法書士が丁寧に相談を伺います。初回はもちろん、債務整理のご相談には何度でも無料で対応可能です。お見積りや返済方法など、不明な点はお気軽にご相談ください。

ご相談は「こちら

まとめ

債務整理の費用は任意整理か個人再生か、自己破産かによっても異なり、負債総額や自己破産の種類、依頼する専門家によっても違います。

債務整理の費用が払えない場合は自力で債務整理を行うか、法テラスを利用する方法もありますが、債権者との交渉や裁判所へ提出する書類作成などはなかなか素人にはハードルが高い手続きといえます。また、法テラスは費用が安い分、利用には収入制限があり、弁護士が選べないなどのデメリットもあります。140万円までの債務整理なら、司法書士へ依頼することで費用が抑えられるケースも多いため、実績豊富な司法書士の無料相談などを利用することをおすすめします。

その際はぜひみどり法務事務所の「スマサポ」をご活用ください。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号