任意整理で完済後ローンが組めるのはいつ?タイミングや注意点を解説

2023.10.03 任意整理
任意整理で完済後ローンが組めるのはいつ?タイミングや注意点を解説

任意整理して借金を完済後、ローンを組めるようになるのはいつ頃からになるのでしょうか。任意整理でブラックリスト入りするタイミングや、完済後ローンを組みたい場合の注意点なども知っておきたいところです。

この記事では、任意整理とブラックリスト入りやリストから消えるタイミング、完済後にローンを利用したい場合に気をつけたいポイントなどについてわかりやすく解説しています。

任意整理でブラックリスト入りするタイミング

任意整理でローンが組めなくなる原因となる「ブラックリスト入り」は、どの時点でなってしまうのでしょうか。ブラックリスト入りするタイミングについて解説します。

任意整理を開始したらブラックリスト入りする

任意整理でブラックリスト入りするタイミングは、任意整理の開始時となります。債権者に対して任意整理の手続きを開始したら、ブラックリストに情報が登録されると考えてよいでしょう。

なお、ブラックリスト入りした状態とは、信用情報機関に事故情報が登録されている状態のことを指します。事故情報として登録されるのは任意整理以外に

 

  • 個人再生、自己破産などの債務整理
  • 61日以上の滞納
  • 保証会社による借金返済の立て替え発生(代位弁済)

 

などが挙げられます。

そのため、任意整理前に61日以上借金を滞納していた場合や、代位弁済された場合には、任意整理の開始よりも前にブラックリスト入りすることとなります。

返済が始まっても事故情報は残り続ける

任意整理の手続きを開始して、債権者と交渉している間や、手続きが完了して返済が再開されている間も、事故情報の記録は残り続けます。

任意整理が終わったらブラックリストからも外れるだろう」「もうすぐ完済するから記録も消えているはず」と考えたくなりますが、任意整理後の返済中にブラックリストから消えることはないため注意しましょう。

ブラック期間中にできなくなること

ブラックリスト入りしている間にできなくなることとしては

 

  • 新規にローンが組めなくなる
  • 割賦払いによる携帯電話の購入や機種変更ができなくなる
  • 新規にクレジットカードが作れなくなる
  • 融資の審査に通らなくなる
  • 保証人になることができない

 

などが挙げられます。

ブラックリスト期間中にローンで大きな買い物を考えている場合や、家族の融資やローン申請で保証人を頼まれてもなれないといった場合は支障が出てしまうでしょう。

ローンやカード発行、保証人などになる予定がなければ、特に問題なく過ごせる場合もあります。

任意整理後ブラックリストから消えるタイミング

任意整理中や任意整理後も、事故情報は残り続けます。信用情報機関から事故情報が消えるタイミングは、いつ頃になるのでしょうか。

完済して5年経過すると履歴が消える

任意整理でブラックリスト入りした場合、事故情報が消えるタイミングは「完済した日からおよそ5年後」とされています。

事故情報などの信用情報が登録される信用情報機関は「CIC」「JICC」「KSC」の3つです。

任意整理では、このうちJICCに事故情報が登録されます。

JICCでは、任意整理の事故情報が削除されるタイミングを「契約継続中および契約終了後5年以内」としています(※201910月以降の契約)。

他の債務整理では5年以上記録が残ることも

任意整理に限らず、個人再生や自己破産をした場合でも、事故情報として信用情報機関へ記録されます。

個人再生で登録される信用情報機関はJICCKSC、自己破産ではすべての信用情報機関に事故情報が登録されます。

個人再生や自己破産の事故情報が記録から消えるタイミングも510年と、任意整理より長きに渡るケースも少なくありません。

記録が消えたかどうかは確認することができる

信用情報機関から自身の事故記録が消えているかどうかは、それぞれの信用情報機関へ情報開示請求することで確認可能です。

請求方法や手数料、支払い方法なども各機関のホームページに記載されているため、任意整理の場合は完済して5年経った頃に、最新の情報に沿って開示請求してみるとよいでしょう。

任意整理完済後の注意点

任意整理後に無理なく借金返済を続けて完済した後は、どのような点に注意すればよいでしょうか。

完済後のローン申し込みや、クレジットカードの新規作成をしたい場合のポイントについても解説します。

完済後でもローンが組めない場合がある

任意整理を経て無事に完済し、更に5年が経過して事故情報も削除されれば、ローンの申し込みや新規のカード作成などは他の条件にもよりますが基本的に可能となります。

ただし、申請先や条件によっては、借金完済後であっても審査に通らない場合があるため注意が必要です。

信用情報機関から事故情報が消えていたとしても、申し込むローンやカードの審査基準を満たしていなければ、審査に通りにくくなってしまいます。

審査に通過する可能性を高めたいなら、年収や勤続年数、自己資金や不動産など、事故情報が消えるのを待つ間に、出来るだけ資産状況を良好にしておくことが大切です。返済の遅延や滞納などもしないように心がけるとよいでしょう。

社内ブラックは審査を通すのが難しい

完済後、ブラックリストから履歴が削除されてもローンが組めなかったり、カードが作れなかったりする場合の理由として「社内ブラックリスト」の存在も挙げられます。

任意整理した債権者の企業が提供しているローンやカードへ申し込んだ場合、信用情報機関から事故情報が消えていたとしても、社内データ内でブラックリストとして管理している場合があるのです。

その場合、社内審査の時点で通過できない可能性があるのです。

対策としては、任意整理した債権者の会社や関連会社のローンやカードを避けて申し込む方法があります。必ず審査に通るわけではありませんが、社内審査で止められるリスクは小さくできるでしょう。

カードが使えない場合の対処法

クレジットカードを作れない間でも、デビットカードやバーコード決済などの電子決済は利用可能です。

クレジットカードが作れるようになるまでは、デビットカードや電子決済、現金払いなどを利用するようにしましょう。

みどり法務事務所の「スマサポ」では、任意整理の不明点はもちろん、任整理中や返済中、完済後の疑問や悩みについても親身なアドバイスが可能です。お問い合わせはフリーダイヤルまたはメールフォームから、全国どこでも対応可能です。任意整理以外の債務整理や、過払い金請求に関するご相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

任意整理で完済後にローンが組めるようになるタイミングとしては、完済して5年後を目安にするとよいでしょう。

完済して5年が経つと、信用情報機関から事故情報が削除されるため、ローンやカードの審査に通りやすくなります。ブラックリストから情報が消えるのを待つ間は収入や貯蓄を増やすなど、審査基準を満たすような経済状態にしておくことも大切です。

カードが使えなくても、デビットカードや電子決済の利用は可能です。不安な点や疑問は専門家へ相談しつつ、任意整理で借金の完済を目指しましょう。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号