自己破産の手続きにかかる期間はどのくらい?手続きの流れや早く進めるポイントを解説
自己破産の手続きをした場合、手続きが完了するまでにどのくらいかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。どのような流れで手続きするのか、早く進めるためのポイントなどもあれば知っておきたいところです。
この記事では、自己破産の手続きにかかる期間の目安や注意点、手続きの基本的な流れなどについて分かりやすく解説しています。自己破産手続きを早く進めたい場合の方法についてもご紹介していますので、手続きを検討する際の参考としてお役立てください。
目次
自己破産の手続きにかかる期間の目安
そもそも自己破産とはどのような手続きなのか、自己破産の手続きにはどのくらいかかるのかなどについて解説します。
自己破産とは
自己破産とは、今ある借金の返済義務を免除できる債務整理の手続きです。返済義務が免除(免責)されれば、事実上借金をゼロにすることが可能です。
自己破産は裁判所へ破産の申し立てを行い、裁判所の決定に従って進めることとなるため、手続きの完了までには一定の期間を要することとなります。
また、自己破産は自力で手続きすることもできますが、裁判所への申し立てや書類作成には一定の法的知識が必要となるほか、債権者からの催促が止まるメリットもあるため、専門家へ依頼して進めるのが一般的です。
自己破産を専門家へ依頼した場合、どの程度時間がかかるの見ていきましょう。
自己破産手続きにかかるおよその期間
自己破産の手続きにかかる期間は、自己破産の種類によって異なります。自己破産には「同時廃止」「管財事件」に大きく分けられ、処分や管理を行う財産がない場合には同時廃止となるのが一般的です。処分するべき財産がある場合や、その他の理由で管財事件として手続きする場合は、同時廃止よりも手続きにかかる期間は長くなります。
同時廃止で免責確定するまでにかかる期間は、3ヵ月から半年程度となり、管財事件で免責確定するまでにかかる期間は半年~1年ほどとなります。
自己破産手続き中の注意点
自己破産の手続きをすると、事故情報が信用情報機関に掲載されます。いわゆるブラックリストに載った状態となります。所有しているクレジットカードは強制解約となり、ブラックリスト期間中は新たな借金やクレジットカードの作成などができなくなります。
自己破産手続きの基本の流れ
自己破産手続きの基本的な流れについて、同時廃止と管財事件に分けて解説します。
同時廃止の流れ
同時廃止と判断される要件は以下のとおりです。
- 借金が高額ではない
- 事業主ではない
- 現金が33万円以上20万円を超える財産がない
- 免責不許可事由が無い
同時廃止手続きの大まかな流れは、
- 専門家へ相談、依頼
- 受任通知の送付
- 裁判所へ破産申し立て
- 破産手続き開始決定、同時に免責も決定
- 免責確定
となります。
専門家へ相談してから破産申し立てまでの期間は2~3ヵ月程度となり、申し立てから破産手続き開始決定、免責決定までは半月~1ヵ月程度、免責確定までは1ヵ月程度かかるのが一般的です。
管財事件の流れ
管財事件手続きの大まかな流れは、
- 専門家へ相談、依頼
- 受任通知の送付
- 裁判所へ破産申し立て
- 破産手続き開始決定
- 免責決定
- 免責確定
となります。
専門家へ相談・依頼してから債権調査まで即日から3日、債権調査から調査結果の返答と面接まで1ヶ月、そこから申し立てまで1ヶ月から2ヶ月となり、申し立てから破産手続き開始決定までは半月~1ヵ月程度、破産手続き開始決定から免責決定までは最短でも2ヵ月程度、免責決定から免責確定までは1ヵ月程度かかります。
管財事件では、財産の管理や調査を行う破産管財人の選任や分配する財産の鑑定、債権者へ報告を行う債権者集会なども行われるため、長い期間を要します。破産手続き開始決定から免責決定までにかかる期間は最短で2ヵ月程度ですが、財産の量や債権者の数によっては、それ以上かかるケースも少なくありません。管財事件となった場合、手続き完了まで1年以上かかる場合もあるでしょう。
いずれの手続きにおいても、専門家へ手続きを依頼した場合には「受任通知」がすべての債権者へ送られます。受任通知を発送することで、以後債権者は借主の代わりに専門家とやり取りすることとなり、自己破産の手続きが完了するまで借金の催促や借主への連絡はストップします。
また、管財事件には「通常管財」と「少額管財」の2種類があり、裁判所によっては少額管財として手続きが可能なケースがあります。少額管財手続きは裁判所へ納める予納金や専門家への費用などが抑えられるほか、手続き完了までにかかる期間も短縮できる場合があります。
自己破産手続きにかかる費用相場
自己破産手続きを専門家へ依頼した場合の費用相場は、同時廃止の場合30~60万円(うち裁判費用2~3万円)、管財事件の場合は80万~110万円(うち裁判費用約50万円)、少額管財の場合は55~85万円(うち裁判費用約25万円)となります。
いずれも裁判費用と専門家への報酬に分けられ、弁護士等へ依頼した場合の報酬は30~70万円ほどとなります。
自己破産は自力で申し立てることもできなくはないですが、法的な知識や書類作成、交渉などに慣れていないとかなり難しいといえます。自力で手続きした場合も裁判費用はかかるため、費用を抑えたい場合は弁護士の代わりに司法書士へ依頼するか、法テラスの利用などを検討することとなるでしょう。
自己破産の手続きを早く進めたい場合のポイント
自己破産の手続きを早く進めたい場合のポイントは以下の通りです。
書類をしっかりと揃える
自己破産手続きを早く進めたい場合は、必要な書類を不備なく揃えることがとても重要です。書類に不備がある場合、裁判所から不備を修正するよう指示が出るため、その都度修正して再提出する「追完」が必要となってしまいます。追完となった分だけ手続きにかかる期間は長くなるため、スムーズに進めたい場合は専門家の指示に従い、書類をしっかりと揃えるようにしましょう。
支払い不能であることを明確にする
自己破産では、免責が決定するかどうかがとても重要です。自己破産手続きの開始決定に至ったとしても、最終的に免責不許可となった場合、借金の返済義務は免除にならず、債権者からの請求が再開してしまうリスクが高まります。
自己破産で免責となるためには、破産に至った経緯や支払いができない事情について、裁判所が納得できる明確な説明ができることが重要です。専門家へ書類作成を依頼した場合は、相談時やヒアリングの際に隠さず正直に話し、質問には誠実に答えるようにしましょう。
自己破産手続きの実績豊富な専門家へ依頼する
自己破産や債務整理の手続きは、どの弁護士や司法書士に依頼してもよいわけではなく、依頼する専門家によって結果が大きく異なる場合があります。自己破産手続きをスムーズに終わらせ、免責確定となるためには、債務整理の実績豊富な専門家へ依頼することが大切となります。
みどり法務事務所では、自己破産の手続きサポート経験が豊富な専門家が、全国で相談に応じています。相談のご予約はフリーダイヤルまたは専用フォームから可能となっていますので、自己破産手続きについて迷った場合はお気軽にご連絡ください。
まとめ
自己破産の手続きにかかる期間は、同時廃止か管財事件かによって異なり、同時廃止の場合は3~6ヵ月、管財事件の場合は1年以上かかるケースもあります。裁判費用の相場も管財事件は高く、同時廃止の方が低いでしょう。自己破産では書類に不備がなく、破産に至った経緯や支払い能力のないことなどが明確であることが重要です。自己破産の取扱い実績が多い専門家へ依頼することで、安心かつスムーズに手続きが進められるでしょう。