任意整理の流れをわかりやすく解説!おすすめの手続き方法も紹介

2023.10.03 任意整理
任意整理の流れをわかりやすく解説!おすすめの手続き方法も紹介

任意整理をするとどのような流れで進んでいくのか、経験したことがない方にとっては、イメージしにくい点も多いでしょう。「任意整理するとどうなるのか」「どんな風に進んでいくのか」など、基本的な知識や大まかな流れを知っておくことで、専門家へ相談する際にも理解しやすくなるでしょう。

この記事では、任意整理の概要や手続きの流れ、任意整理した後の流れなどについてわかりやすく解説しています。最後に任意整理をする場合に検討したいおすすめの手続き方法を紹介していますので、任意整理を理解する際の参考としてお役立てください。

任意整理とは

任意整理とはどのような手続きなのか、概要について改めて確認していきましょう。

債務整理の1

任意整理とは、借金の返済が苦しい場合に行う債務整理の1つです。債務整理には「個人再生」「自己破産」などの種類があります。それぞれの概要は以下の通りです。

 

  • 任意整理:債権者へ直接借金の返済について交渉し、利息の減免や返済期間の延長(35年)、月々の返済額の見直しなどを行う債務整理です。
  • 個人再生:裁判所を通じて債権者と交渉し、1,500万円までの借金であれば総額の5分の1まで減額できる債務整理です。
  • 自己破産:裁判所を通じて借金のすべてを免責にする債務整理です。

 

任意整理は裁判所を通さないため手続きが比較的シンプルで、和解までにかかる期間も数ヵ月程度であることが多いため、借金の返済に困った場合にまず検討することの多い債務整理です。

任意整理しても返済が困難であると思われる場合には、自己資産や収入に応じて個人再生または自己破産へと切り替えることも可能です。

任意整理でできること

任意整理でできることとしては

 

  • 将来利息、経過利息の減免
  • 遅延損害金の減免
  • 3~5年で完済となるよう返済期間を見直す
  • 月々の返済額を小さくする

 

などが挙げられます。

将来利息とは、元金に対して将来的に発生する予定の利息を指します。

経過利息とは、任意整理中に発生している利息のことです。

遅延損害金は、返済を滞納した場合にかかるペナルティのことで、返済期日の翌日から起算して返済額に上乗せされるものです。

任意整理のメリット・デメリット

任意整理のメリットとしては

 

  • 裁判所を通さないため書類の準備や手続きがしやすく、短期間で完了しやすい
  • 任意整理する債権者を選べるため、住宅ローンや自動車ローンなどを除外できる
  • 専門家へ手続きを依頼すると、任意整理を開始した時点で債権者からの催促や取り立てがストップする
  • 収入や現状に応じて、無理のない返済計画へ変更できる

 

といった点が挙げられます。

個人再生(住宅ローン特則個人再生を除く)や自己破産では、債権者を選ぶことはできず、借り入れのあるすべての債権者が対象となるため、住宅や車のローンが残っていると回収の対象となってしまいます。

任意整理では車のローンを除外して他の借金を任意整理する、といった選択が可能なので、状況によっては大きなメリットとなります。債権者からの催促や取り立ての連絡がストップする点も、精神的な負担を大きく軽減できるでしょう。

 

任意整理のデメリットとしては

 

  • 返済能力がない場合は選べない
  • 元金を減免することはできない
  • ブラックリストに載ってしまう
  • 金利の低い借金の場合はあまり意味がない

 

といった点が挙げられます。

任意整理では元金のカットはできないため、大きく借金を減らすことはできません。

また、残っている借金を無理のない返済で完済できることが前提となるため、返済能力がなければ債権者は交渉に応じない可能性が高いでしょう。

カットできるのは利息や損害遅延金となるため、元の金利が低い借金の場合は任意整理してもあまり意味がない結果となってしまいます。

任意整理に限らず、債務整理をするとブラックリストに事故情報として登録されます。

任意整理から弁済開始までの流れ

任意整理から弁済開始までの大まかな流れについて解説します。

相談~着手

任意整理は専門家へ依頼して進めるのが一般的です。

まずは無料相談などを利用して、任意整理をした場合の流れについて個別に確認するとよいでしょう。納得して依頼するために、見積りや支払い方法、必要書類など、不明な点は何でも確認することが大切です。充分に説明が理解できたら委任契約を交わし、任意整理への着手へと進みます。

任意整理を受任した専門家は、受任した当日または翌日には債権者へ受任通知を送ります。受任通知が債権者へ届いた時点で催促や取り立ての連絡はストップし、手続き中は返済も一時的に止まります。

整理案作成~弁済開始

受任通知の送付後、返済状況や収入、債務の調査などを行い、任意整理案を作成して債権者との交渉をスタートします。

和解交渉に債権者が合意すれば、任意整理後の返済計画による弁済が開始されます。

任意整理に必要な書類

任意整理に必要な書類には

 

  • 身分証明書
  • 債権者発行のクレジットカードやキャッシュカード※専門家に相談する際は持参しましょう。
  • 源泉徴収票、確定申告書の控えなどの収入証明書※不要な場合がほとんどです

 

などが挙げられます。

任意整理の着手から弁済開始までにかかる期間は、ケースにもよりますが36ヵ月程度が目安となります。

任意整理後の流れ

任意整理後、借金を完済した後の流れについても解説します。

完済後5年で事故情報が消える

任意整理によるブラックリスト期間は、任意整理の着手から完済後5年までが目安となります。

完済から5年が経つと、事故情報が信用情報から削除されるからです。

事故情報が消えるとできること

事故情報が消えると、新たにローンを組んだり、カードを発行したりすることもできるようになります。

ただし、任意整理した債権者のローンを組むことは、事故情報が消えた後も難しいと考えた方がよいでしょう。

弁済中~完済後の注意点

弁済中は、返済を滞納せず、完済する強い意思を持って返済期日を守り続けることが大切です。

済後にローンを組む予定がある場合は、事故情報が消えるのを待つ間に収入を安定させ、貯蓄を増やすなどの努力もしましょう。

任意整理のおすすめの手続き方法は、任意整理や債務整理に強い専門家を選んで依頼することです。

みどり法務事務所の「スマサポ」では、任意整理や過払い金請求など借金問題の解決に強みを持っています。借金について悩みを抱える多くのお客様に寄り添い、問題解決に向けてサポートをいたします。

まとめ

任意整理は債務整理の1つで、債務整理の中でも比較的シンプルな手続きで無理のない返済方法に変更することが可能です。

任意整理の大まかな流れやメリット・デメリットを理解して、不明な点があれば専門家へ相談しながら手続きを進めていきましょう。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号