任意整理に失敗するのはどんなケース?失敗しないためのポイントを解説

2023.10.03 任意整理
任意整理に失敗するのはどんなケース?失敗しないためのポイントを解説

任意整理をしようとして失敗してしまうことはあるのか、失敗するのはどんなケースなのかについて知りたい方も多いでしょう。勇気を出して任意整理の手続きをするなら、失敗するリスクは出来るだけ避けたいところです。

この記事では、任意整理に失敗するのはどのようなケースなのか、任意整理で失敗しないためのポイントなどについてわかりやすく解説しています。

万一、任意整理に失敗してしまった場合の対処法についても紹介していますので、任意整理について検討している際の参考としてお役立てください。

任意整理が失敗するケースとは

任意整理が失敗するケースには、以下のようなものが挙げられます。

任意整理では返済が難しい

任意整理では、債権者へ3年から5年の間に完済する返済計画をたて、利息や損害遅延金のカットなどを交渉します。任意整理は返済能力があり、将来的に完済できることが大前提となります。

そのため「収入が少ない」「仕事が安定していない」など返済能力がない場合や、5年で完済できる見込みがない場合には交渉に応じてもらえず、失敗するリスクが高くなってしまうでしょう。

借金の金利が低い

任意整理で交渉できるのは、将来利息や現時点で未払いの利息および損害遅延金の減免のみとなります。個人再生や自己破産と違い、元金自体を減免することはできない債務整理です。

そのため、そもそもの金利が低い借金の場合、任意整理をしても減額できる金額はわずかとなってしまいます。手続きにかかる費用の方が高くなる可能性もあるため、金利の低い借金の任意整理をしたとしても、状況によってはあまり意味がないといえます。

自力で交渉をした

任意整理は、弁護士や司法書士などのプロへ依頼して進めるのが一般的です。

自力で任意整理交渉をすることも可能ですが、法的な知識や交渉のスキルを持たずに交渉をした場合、債権者が交渉に応じてくれずに失敗する可能性が高いでしょう。

任意整理後に返済できなくなった

任意整理自体は成功したが、その後に返済能力がなくなってしまい、計画通りの支払いができなくなったケースも、事実上任意整理が失敗したといえるでしょう。

返済能力がなくなってしまう理由としては、転職や失業などで収入が減ってしまった場合や、ギャンブル、買い物、家族の支援などで支出が増えてしまった場合などが考えられます。

任意整理後の返済ができずに滞納を続けた場合、債権者から損害遅延金と共に残債の一括請求を迫られる可能性もあります。任意整理後の返済が苦しいと感じたら、早めに対処することが大切です。

任意整理で失敗しないためのポイント

任意整理で失敗しないためのポイントについて解説します。

本当に返済可能かを検討する

任意整理を依頼する際や、依頼前の事前相談などで、返済可能な金額について正直に伝えなかった場合、任意整理後に失敗してしまうリスクが高まります

無理のない返済計画にしなければ、任意整理をしても毎月返済する苦しさは続いてしまうでしょう。任意整理後の返済計画で本当に大丈夫か、継続して返済することができるかを慎重に検討するようにしましょう。

完済する意思を強く持つ

任意整理の手続きは成功して無理のない返済額へと変更できても、計画通りに完済できなければ意味がありません。

借金を返済しても、生活費や貯蓄にまわせるだけのしっかりとした収入を確保しておく努力も大切です。

収入の確保だけでなく、支出を抑えられるように管理しましょう。特に支出が原因で借金が膨らんだ場合は、毎月収支のバランスが取れるように家計簿をつける習慣をつけるのもおすすめです。完済する意思を強く持ち、コツコツと返済を続けるようにしましょう。

専門家へ依頼する

任意整理で失敗しないためには、弁護士や司法書士などの専門家へ相談、依頼して進めるようにしましょう。専門家を選ぶ際のポイントとしては

 

  • 債務整理の依頼実績が多い
  • 債務整理の成功率が高く、減額や返還額も多い
  • 自身の地域が担当エリアに入っている

 

等が挙げられます。弁護士や司法書士の中には、債務整理の実績をあまり持っていない人もいます。債務整理に関するノウハウが少ないと、専門家であっても交渉時に有利に進めることが難しい場合もあるのです。

任意整理を失敗した場合の対処法

もし、任意整理が失敗した場合の対処法は以下の通りです。

再度の任意整理または追加介入を検討する

任意整理は1度だけでなく、複数回行なうことも可能です。もし任意整理で和解した内容での返済が難しい場合には、債権者と再度交渉する「再和解」の手続きを依頼してみましょう。

また、1回目の任意整理の際に除外した債権者がある場合、任意整理の交渉に追加する「追加介入」をすることで、更に返済を減額できる場合があります。

ただし、再和解も追加介入も、1回目の任意整理で交渉するより厳しい内容となりがちです。希望する内容では応じてもらえない可能性もあるため、専門家と相談しながら進めるようにしましょう。

任意整理以外の債務整理を検討する

任意整理では、利息や遅延損害金のカットや返済期間、毎月の返済額を見直すといった交渉に留まるため、基本的に大幅な元金の減免をすることはできません

過払い金が発生している場合は元金返済に充てることもできますが、過払い金がない場合の減額は状況にもよりますがそこまで大きくないものです。

任意整理では返済の見込みがない場合や、返済能力がない場合は、別の債務整理の検討が必要です。個人再生では、1,500万円までの借金の場合、5分の1まで減額することが可能です。自己破産では借金のすべてを免責にできるため、条件によっては個人再生や自己破産を検討した方がよいでしょう。

みどり法務事務所の「スマサポ」では、任意整理や過払い金請求の取扱実績が豊富な司法書士が借金返済の相談に対応しています。

全国どこでも対応可能で、秘密厳守でのご連絡も可能です。借金に関する悩みは誰にも話せず、1人で抱えている方も少なくありません。個別のケースごとの悩みに寄り添い、親切丁寧なアドバイスをさせていただきますので、フリーダイヤルまたは専用のお問合せフォームよりご連絡ください。

まとめ

任意整理が失敗するケースには「金利が低いなど、任意整理をする意味がない」「自力で手続きをして交渉に応じてもらえなかった」「任意整理後に返済能力がなくなった」などが考えられます。

任意整理を失敗しないためには、実績豊富なプロへ依頼して進めるほか、収入を確保して支出を抑え、完済するという強い意思を持つことも大切です。

もし任意整理後の返済が難しい場合、再度の任意整理や個人再生、自己破産への切り替えなども検討可能です。1人で悩まず、専門家と相談しながら人生を立て直していきましょう。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号