任意整理すると会社にバレる?影響や対処法を解説。
借金に悩んで任意整理した場合、その事実が会社にばれてしまう可能性はあるのでしょうか。会社にばれた場合にどのような影響があるのか、会社や家族にばれないように任意整理するためのポイントなども知っておきたいところです。
この記事では、任意整理すると会社にバレるのか、会社に任意整理がばれた場合の影響などについて解説しています。会社にばれないために取るべき対処法についても紹介していますので、任意整理を検討する際の参考にしてください。
目次
任意整理すると会社にバレるのか
任意整理をしたことが、会社にバレることはあるのかについて解説します。
任意整理で会社に借金がバレる可能性は低い
結論から言うと、任意整理をしたことが会社にバレる可能性は非常に低いです。
債務整理の中でも、任意整理は会社にばれにくい手続きといえます。任意整理がばれにくい理由は以下の通りです。
・裁判所を通さないため、手続きに必要な証明書類などが少ない
任意整理は裁判所を通さず、利息のカットや返済計画の見直しについて債権者と直接話し合って進めていきます。
そのため、他の債務整理よりも用意するべき書類が少なく、手続きもシンプルとなり、和解までに要する時間も短いのが一般的です。
・債権者からの取り立てや催促の連絡が来なくなる
任意整理手続きの代行を依頼された弁護士や司法書士は、任意整理の対象となった債権者へ受任通知を送ります。受任通知を受け取った債権者は、以降債務者へ取り立てや催促などの連絡をしてはならないことが法律で定められているのです(貸金業法第二十一条)。
任意整理をせずに返済を滞納し続けたり、債権者からの連絡を無視したりしていると、債権者や債権回収業者から債務者の勤務先へ連絡をしてくる可能性もあります。専門家へ依頼して任意整理をすることで、こうしたリスクを回避できるメリットもあるのです。
任意整理が会社にバレるケース
上記のように、任意整理をしても会社にバレる可能性は低く、任意整理をした方が会社に借金がばれにくいともいえます。
しかし、以下のようなケースでは、任意整理したことが会社にばれてしまう可能性があります。
・自力で手続きをして交渉に失敗した
専門家に頼らず、自力で任意整理した場合、債権者との交渉が難航して和解できない場合があります。利息のカットなどに応じてもらえず、返済できない状況が続いてしまうと、債権者に法的手段を取られて財産を差し押さえられる可能性があります。
会社から支払われる給与も差し押さえの対象となるため、実行されれば会社にばれてしまうでしょう。
・新規のカード発行やローンの申し込みが通らず不審に思われる
会社によっては、自社が発行するカードへの加入を推奨されたり、社員割引などで商品を購入する際、ローンの申し込みをしたりするケースがあります。
この時に債務整理の手続き中でブラックリスト入りしていると審査が通らず、社内で不審に思われる可能性があるでしょう。
任意整理が家族にバレるケース
弁護士や司法書士には守秘義務があるため、依頼について外部へ口外することはありませんが、弁護士事務所などから届く封書が見つかったり、携帯への着信をチェックされたりした場合、家族にバレる可能性があります。
任意整理の申し立て後に住宅ローンや車のローン、新規のカード申し込みをした場合、審査が通らずにバレる可能性もゼロではありません。
任意整理が会社にバレるリスクは少ないですが、同居している家族に隠し続けるのはリスクの高い行為といえます。可能であれば、任意整理をする事実について家族には共有しておいた方がよいでしょう。
任意整理や債務整理が会社にばれたらどんな影響がある?
任意整理や債務整理をしたことがもし会社にばれた場合、どのような影響があるのかについて解説します。
任意整理は債務整理の中でもばれにくい
任意整理は、債務整理の中でも周囲にばれにくい手続きです。
個人再生や自己破産など、裁判所を通す必要がある債務整理では、裁判所への提出が必要な証明書類が多く、中には会社へ申請が必要なものもあります。
例えば、将来的な収入となる退職金は財産に含まれるため、退職金見込額証明書の提出が必要となる場合があるのです。
また、会社で財形貯蓄などの制度を利用している場合には、財形貯蓄の貯蓄額証明書の提出が必要です。いずれの証明書も会社へ申請して発行してもらうものとなるため、自己破産や個人再生の場合、ケースによっては会社にばれてしまう可能性があるのです。
任意整理でも証明書類の提出は必要ですが、身分証明書や印鑑、預金通帳や不動産の登記簿謄本など、会社へ依頼しなくても用意できる書類ばかりとなっています。
任意整理がばれてもクビや減給になることはない
もし任意整理や債務整理をしている事実が会社にばれてしまったとしても、そのことが原因でクビになることはありません。
任意整理の事実や借金があることなどを理由に雇用している従業員をクビにしたり、減給や降格処分にしたりすることは、労働契約法上の不当解雇にあたるため禁じられているからです。
任意整理だけを理由に解雇されることはありませんが、自己破産をした場合は特定の職業に就けなくなる可能性があります。
任意整理がばれないようにするための対処法
任意整理がばれないようにするための対処法としては、以下が挙げられます。
早めに任意整理する
借金の滞納を続けて頻繁に催促の連絡が入ったり、連絡を無視して法的手段を取られ、財産や給与を差し押さえられたりすると、会社や周囲にばれやすくなってしまいます。
借金の返済が苦しくなったら滞納や放置をせず、できるだけ早めに専門家へ相談し、任意整理や債務整理を検討するようにしましょう。
自力でしようとしない
任意整理は自力ですることも可能ですが失敗しやすく、失敗すれば取り立ての連絡や差し押さえのリスクも高まってしまいます。
費用を惜しんで自分で交渉をして失敗するより、報酬を払って利息のカットや返済額の減額に成功した方がメリットは大きいものです。
周囲にばれずに手続きを完了させるためには、無理に自力で進めない方がよいでしょう。
専門家へ依頼する
任意整理を弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば、債権者からの連絡がストップします。
これだけでも、プロへ依頼するメリットとしては大きいものです。不安な場合は、任意整理していることを周囲にばれたくない旨を依頼時に伝えるようにします。
任意整理や債務整理に強い法律事務所なら、秘密厳守などの細やかな配慮もしてもらいやすいでしょう。
まとめ
任意整理しても基本的に会社にバレることはなく、ばれたとしてもそれだけで会社がクビや減給、降格を命じることは法律で禁じられているため、何のお咎めもないのが一般的です。
ただし、任意整理が失敗して差し押さえなどの法的手段を取られた場合には、周囲にバレる可能性も高まります。スムーズに任意整理を成功させたいなら、実績豊富な専門家のサポートを受けて進めた方がよいでしょう。
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