任意整理のブラックリスト期間はいつから5年?数え方や確認方法を解説

2023.10.03 任意整理
任意整理のブラックリスト期間はいつから5年?数え方や確認方法を解説

任意整理をして利息の減額や返済期間の見直しなどを行った場合、「5年はブラックリスト入りする」といわれますが、いつから5年なのか気になる方も多いのではないでしょうか。

ブラックリスト期間はいつ始まり、いつの時点で終わるのか、ブラックリスト入りしている状態とはどのような状態なのかも確認しておきたいところです。

この記事では、任意整理のブラックリスト期間はいつから5年なのか、いわゆるブラックリスト入りした状態の概要などについて解説しています。

5年経過するまでにやっておくべきことについても紹介していますので、任意整理後の状況や流れを確認する際の参考にしてください。

ブラックリスト期間とは

ブラックリスト期間とは、どのような状態を指すのかについて解説します。

任意整理(債務整理)すると事故情報が記録される

任意整理を含む債務整理を行うと、その履歴が信用情報機関に事故情報として掲載されます。この信用機関に事故情報が掲載されている状態を「ブラックリスト期間」「ブラックリスト入り」と呼ぶのが一般的です。

カード会社や金融機関は新規申し込みを審査する際、同じ信用情報機関を閲覧するため、ブラックリスト期間中はカード発行やローンを組むといった場面で、さまざまな制約を受けることとなります。

信用情報機関とは

信用情報機関とは、借金の履歴や返済滞納の履歴など、個人の信用情報を記録している機関のことを指します。信用情報機関には「CIC」「JICC」「KSC」の3種類があり、それぞれの概要は以下のようになります。

 

CIC(株式会社シー・アイ・シー):クレジット会社や消費者金融、銀行、信販会社や百貨店などの業者が加盟している信用情報機関です。割賦販売法と貸金業法にもとづき、内閣総理大臣より指定を受けた信用情報機関の1つでもあります。

 

JICC(株式会社日本信用情報機構):消費者金融や信販会社、金融機関やリース会社などの業者が加盟している信用情報機関です。貸金業法にもとづき、内閣総理大臣より指定を受けた信用情報機関の1つでもあります。

 

KSC(全国銀行個人信用情報センター):メガバンクや地方銀行、信用金庫や農協など、銀行系の企業が加盟している信用情報機関です。

借り入れした履歴や債務整理、滞納などの履歴は、借り入れや債務整理を行った金融機関が加盟している信用情報機関に登録されることとなりますが、信用情報機関同士でも情報の共有を行っています。

また、債務整理以外に

 

  • 61日以上の滞納
  • 返済滞納などによる強制解約
  • 保証会社による代位弁済

 

などもブラックリスト入りの対象となります。

事故情報が掲載される期間

事故情報が記録される期間は、信用情報機関や債務整理の種類によっても異なります。事故情報が掲載される期間の目安は以下の通りです。

 

  • 任意整理:JICC 5年
  • 個人再生:JICC 5年、KSC 5~10年
  • 自己破産:CIC・JICC共に5年、KSC 10年

 

債務整理の種類によっては、債務整理の事実自体は登録されない信用情報機関もありますが、信用情報機関同士で情報が共有されるため、ブラックリスト期間中であることは容易に確認可能であると理解した方がよいでしょう。

ブラックリスト期間はいつから5年?

事故情報が記録されるタイミングや、いつの時点で履歴が消えるのか、任意整理の場合はいつから5年経過すると履歴が削除されるのかについて解説します。

任意整理の手続きを開始すると記録される

任意整理で事故情報が記録されるタイミングとしては、手続きを開始した直後となります。

任意整理の手続きを開始する前であっても、61日以上の滞納や強制解約になっていれば、その事実が事故情報として登録されるため、任意整理前からブラックリスト入りしている可能性が高いでしょう。

完済後5年で履歴が消える

事故情報が消えるタイミングとしては、任意整理の手続きが完了して返済が開始され、完済した日から起算して5年後が目安となります。

CICやJICCでは、事故情報の登録機関を「契約期間中および契約終了から5年」としていますが、KSCでは「契約期間中および契約終了、完済していない場合は完済日から5年を超えない期間」と定めています。

場合によっては、完済後5年を待たずに事故情報の登録が消える可能性もありますが、基本的には完済後5年は登録されていると考えた方がよいでしょう。

信用情報を確認する方法

事故情報が登録されているかどうかは、信用情報機関へ情報開示請求をすることで、自力でも確認が可能です。

開示請求には5001,100円程度の手数料と本人確認書類が必要となります。

申し込みは、各信用情報機関のホームページからオンライン請求ができるほか、電子決済などの支払いに対応している機関もあります。

信用情報を確認する必要がある場合は、完済後5年を目安に、3つの機関すべてで確認してみるとよいでしょう。

事故情報が消えるのを待つ間にやるべきことは?

事故情報が消えた後に新規のローンを組んだり、大きな買い物をしたりする予定がある場合、事故情報が消えるのを待つ間にやっておくとよいことについて解説します。

※ローンを組まないにこしたことはありません。

滞納をしない

事故情報の登録期間中に、滞納をしないようにしましょう。

上記でも解説した通り、61日以上の滞納も事故情報として登録されてしまうからです。任意整理の対象としなかった債務はもちろん、任意整理した返済の滞納は事故情報の登録期間が長引く原因となるだけでなく、損害遅延金を上乗せして一括請求されるリスクを高めてしまいます。

事故情報の履歴が消えた後も、社内で管理しているブラックリストに情報が残っているケースなどもあり、条件やローンの申請先によっては審査が通りづらくなる可能性もあります。

安定した収入はあるが支出が多い場合は、借金の返済以外の支出を増やさないようにする、家計簿をつけて収支を管理するなど、お金をコントロールする習慣を身につけましょう。

収入を増やす

事故情報の履歴が消えた後にローンを組みたい場合、収入が多ければ審査を通りやすくすることができます。

収入や勤続年数を増やすなど、審査の際に有利となるような実績を積むことも大切です。

貯蓄を増やす

事故情報の登録期間中に大きな買い物が必要となっても、ローンを組むことは難しいと考えた方がよいでしょう。

住宅や車などの購入を予定しているなら、ローンを組まずに一括購入するという選択肢も検討しておくようにしましょう。収入に見合わない高価な買い物や多額のローンなども控えることが大切です。

滞納したくないが返済が苦しい」「収入が減って貯蓄どころではない」など、借金返済の負担が大きくなった場合は、滞納する前に早めに専門家へ相談するようにしましょう。

まとめ

任意整理でブラックリスト入りする期間がいつから5年となるかは、債権者や信用情報機関の種類によっても異なりますが、任意整理の手続きを開始した日からブラックリスト期間に入り、履歴が消えるのは完済した日から5年後が目安となります。

自身の信用情報は、各信用情報機関へ情報開示請求をすることで確認が可能です。ブラックリスト期間中はカード発行や新規ローンが組めないといった制限を受けることとなります。

履歴が消えた後にローンの審査を通りやすくするためには滞納をせず、収入や貯蓄を増やして極力無駄を控え、収支をコントロールできるようにしておくとよいでしょう。

任意整理や他の債務整理を検討する場合は、債務整理の手続きに豊富な実績を持つ専門家へまずは相談してみましょう。

みどり法務事務所の「スマサポ」では、債務整理や過払い金についての無料相談に対応しています。フリーダイヤルまたはメールフォームよりお気軽にお問い合わせください。

この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号