個人再生したらクレジットカードは使えない?完済後はどうなるのかも解説

2023.10.10 個人再生
個人再生したらクレジットカードは使えない?完済後はどうなるのかも解説

個人再生をしたくても、クレジットカードが使えなくなると困るから、と迷っている方は多いのではないでしょうか。個人再生でクレジットカードはどうなるのか、使えない場合の対処法や、使えるようになるタイミングなども知っておきたいところです。

この記事では、個人再生とクレジットカードの利用についてわかりやすく解説しています。クレジットカードが使えなくなるタイミングや、個人再生で完済した後の流れについても紹介していますので、個人再生を検討する際の参考としても役立つ内容となっています。

個人再生するとクレジットカードはどうなるのか

個人再生するとクレジットカードはどうなるのかについて解説します。そもそも個人再生とはどのような手続きなのか、個人再生すると起きることなどについても改めて見ていきましょう。

個人再生とは

個人再生とは、裁判所を通して借金を減額する債務整理の1つです。

債務整理には、ほかに「任意整理」「自己破産」などの種類があります。任意整理は裁判所を通さず、借入先に利息のカットなどを直接交渉する方法で、自己破産は裁判所を通して税金や養育費などの非免責債権を除きすべての借金をゼロにする方法となります。

個人再生は安定した収入があり、借金を返済する意思があることを前提として行う手続きで、一般的に数百万円以上の借金がある場合に検討されることの多い債務整理です。

個人再生すると起こること

個人再生を行うと、借金総額のおよそ5分の1(ただし最低額は100万円)、最大で10分の1まで減額することが可能です。

また、住宅ローンはそのまま払い続けられるため、住宅を手放さずに他の借金だけを減額することもできます。

個人再生は自力で行うこともできますが、裁判所を通すため、書類や手続きが複雑で、専門知識を必要とするため、弁護士などの専門家へ依頼するのが一般的です。専門家へ依頼すれば、手続きが完了するまで返済や督促、取り立ての連絡がストップするため、精神的な負担軽減にも繋がります。

生活の再建にメリットの多い個人再生ですが、手続きをした事実は事故情報として、信用情報機関へ記録されることとなります。事故情報の履歴が残っている期間は、いわゆる「ブラックリスト入り」している状態となり「新たなローンが組めない」「保証人になれない」といった制限を受けることとなるのです。

個人再生するとクレジットカードは使えなくなる

上記で挙げたブラックリスト期間中には、新しくクレジットカードを発行することもできなくなります。また、個人再生するとすべての債権が対象となるため、利用中のクレジットカードがあれば強制解約となってしまいます。

個人再生すると現在持っているクレジットカードは解約となり、一定期間新規カード発行もできなくなります。「個人再生するとカードが使えなくなる」といわれるのはこのためです。

個人再生の手続きをした場合、いつからクレジットカードを再び作れるようになるのでしょうか。

個人再生後に完済したらクレジットカードは作れる?

個人再生後も、借金返済中は新たにクレジットカードを作ることはできません。借金を完済した場合は、いつから作ることができるようになるのでしょうか。

完済後にクレジットカードを作る場合の注意点

個人再生で減額した借金は、概ね3年間かけて完済していくこととなります。新たなローンやカード発行は借金完済後に可能となりますが、完済後すぐにクレジットカードを作れるようになるわけではありません。

信用情報機関に記録された事故情報は、完済後5~10年は履歴が残り続けます。そのため、完済後も事故情報が消えるまで待つ必要があるのです。

また、個人再生の対象となった金融機関が発行しているクレジットカードの場合、事故情報が消えても新規発行ができないケースもあります。過去に債務整理した人物の情報を社内で管理する「社内ブラックリスト」などがある場合、事故情報の履歴が消えてもカードを作れない可能性が高いでしょう。

クレジットカードが作れない間の対処法

個人再生の手続き後、借金を完済するまで3年間、完済後5年で事故情報が消えた場合でも、通算で8年間はカードが作れなくなってしまいます。インターネット経由の購入や会員登録、契約などにカード情報が必要となるケースも多いため、カードが使えないとかなり不便となってしまうでしょう。

カードが使えない間の対処法としては

 

  • デビットカードを利用する
  • バーコード決済などを利用する
  • 交通系ICなどのデポジット型カードを利用する
  • 極力現金払いを利用する

 

といった方法が挙げられます。

デビットカードは銀行口座から即時に引き落としされる点がクレジットカードと異なりますが、カード情報として登録したり、支払い方法として選択したりすることが可能です。

QR決済」「バーコード決済」などと呼ばれる決済方法も、事故情報の影響を受けずに利用することができます。

後払いや分割払いなどは極力避け、現金で支払える場合は現金払いを優先するのも1つの方法です。

個人再生する前にクレジットカードを使う場合の注意点

個人再生する前にカードを利用する予定がある場合は、以下の点に注意しましょう。

解約直前に使い過ぎない

個人再生すれば使えなくなるから」「個人再生で減額してもらえばいい」といった理由で、カードの解約直前まで限度額いっぱい利用する、といった使い方は決してしないようにしましょう。

こうした使い方をしていた場合、個人再生の手続きに入った際「最初から減額を目的として利用したのでは」「返済する気がないのでは」と疑われ、債権者から不信感を持たれる原因になってしまうからです。

個人再生の手続きは、債権者が受け入れなければ認められません。個人再生が失敗すれば借金減額や返済方法の見直しも実現できなくなってしまいます。

意図的に限度額まで使うといった目的でない場合も、解約直前に普段はしない大きな買い物をしたり、カードを使い過ぎたりしないように注意しましょう。

「カードの現金化」をしない

カードの現金化とは、クレジットカードを使用して購入した商品を売却して現金を得る行為のことをさします。

例えば、高級ブランドのバッグやアクセサリーなどをカードで購入し、ブランド品買い取り業者などへすぐに売った場合などが該当します。

カードの現金化はカードを作る際の規約で禁止されている場合が多く、発覚すれば規約違反で強制解約、一括請求などの原因となるだけでなく、詐欺罪などの罪に問われる可能性もあるのです。

個人再生の不明点は専門家へ相談を

個人再生ではどのような点に注意が必要なのか、そもそも自身は個人再生の手続きができるのかなど、わからない点も多いものです。借金の状況によっては、個人再生よりも最適な債務整理の方法が見つかる可能性もあります。借金返済に悩んだら1人で抱えずに、まずは債務整理に強い専門家へ相談してみましょう。

まとめ

個人再生の手続きをした場合、手続きに入った直後から事故情報が信用情報機関へ記録されるため、クレジットカードは使えなくなってしまいます。完済後も一定の間ブラックリスト期間が続くため、カードを作るには履歴が消えるまで待つ必要があります。

借金返済で悩んでもどうしてよいかわからない場合、まずは個人再生や債務整理に強い専門家へ相談するのがおすすめです。個人再生を含めて、最適な借金の返済方法を見つけることができるでしょう。

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この記事を監修したのは、

admin

寺島 能史

東京司法書士会
会員番号: 第6475号
認定番号: 第901173号