利息とは?計算方法や利息制限法による上限、利子・金利との違いを解説
通常お金を「貸したり」「借りたり」することには、利息が発生します。利息は思っている以上に高額になる場合があるので、借入れをする際には「利息を含めた返済額が、一体いくらになるのか」をあらかじめ計算して確認しておくことが大切です。
この記事では、利息とは何か、利子や金利との違い、計算方法、利息制限法が定める上限について解説します。
目次
利息とは
利息とは、お金を貸し借りする際の対価のことです。お金を借りた人が、貸した人に対して支払います。
例えば「500万円を借りて、1年後に550万円で返す」という約束をした場合、返済額と借入額の差額50万円が利息です。
利息はお金を貸してもらったことへのお礼や返済を待ってもらったことに対する手数料であり、一般的には借入額が大きいほど、また借入期間が長いほど、手数料にあたる利息の支払い額は増えることになります。
利子との違い
利子と利息はいずれも「お金を貸し借りする際の対価」を指す言葉であり、意味は基本的に同じです。
慣用的には「利子を払う」「利息を受け取る」と表現するので、利子は「お金を借りる側」から見たときの表現、利息は「お金を貸す側」から見たときの表現になります。ただし、実際にはあまり区別されずに使われています。
金利との違い
金利とは、元金に対する利息の割合のことです。利子や利息は具体的な金額で表現しますが、金利は割合なのでパーセントで表現します。
例えば、100万円を金利(年率)15%で1年間借りるなら利息は「100万円×15%」で15万円、銀行に1,000万円を預けて金利(年率)が0.01%なら利息は「1,000万円×0.01%」で1,000円です。
利回りとの違い
利回りとは、預けた金額や投資した金額に対してどの程度の利益を得られたのかを示す割合のことです。銀行預金であれば受け取る利息の元金に対する割合、株式投資や債券投資などの投資であれば利息と売却益・償還差益の合計額の元金に対する割合として計算します。
例えば、1,000万円を銀行に預けて1年後に利息2万円を受け取る場合、利回りは「2万円÷1,000万円×100」で0.2%です。
利息の計算方法
利息は借入額や借入期間、金利をもとに計算できます。利息が一体いくらになるのか、以下で紹介する計算方法に従って計算してみましょう。
単利と複利で計算方法が異なる
利息の計算のやり方には「単利」と「複利」の2種類の計算方法があります。
単利とは元本だけに利息が発生する計算方法で、複利とはある期間までに発生した利息が元金に組み込まれて次の期間の利息計算に含まれる計算方法です。
例えば、金利(年利)1%・元金100万円の場合、単利では1年間に1万円の利息が発生するので1年後には101万円、2年後には102万円になります。
一方で複利では、1年後に101万円になった後、2年目の利息は元金100万円と1年目の利息1万円を合わせた101万円を基準に計算するので、「101万円×1%」で2年後の利息は1万100円、利息と元金を合わせた金額は102万100円です。
金利が同じでも単利と複利では利息額が変わるので、金融機関の利息に関する計算規定をよく確認する必要があります。
利息の計算式
利息は借入額や金利(年利)をもとに計算し、借りる日数に応じて日割りで計算します。利息の計算式は、以下のとおりです。
- 利息 = 借入額(借入残高) × 金利(年利) × 借入日数 ÷ 365日
例えば、年利15%で5万円を借りて1ヵ月(30日)後に返済する場合、利息額は「5万円×15%×30日÷365日=616円」です。返済日には、元利合計5万616円を支払うことになります。
利息計算の具体例
以下では、キャッシングで10万円を年利18%で借りるケースについて、利息がいくらかかるのかシミュレーションを行います。
【キャッシング(リボ払い)でかかる利息の計算例】
日割計算の方法:支払日の翌日から次回支払日までの日数で計算(初回は利用日の翌日から初回支払日までの日数で計算) |
この事例では、1/11~2/10の期間に利用した金額が10万円になり、その翌月の3/27を初回支払日として、元金を毎月1万円ずつ返済していくことになります。
支払月 |
利息 |
返済総額 |
支払後の残高 |
3月 |
2,663円 |
12,663円 |
90,000円 |
4月 |
1,375円 |
11,375円 |
80,000円 |
5月 |
1,183円 |
11,183円 |
70,000円 |
6月 |
1,070円 |
11,070円 |
60,000円 |
7月 |
887円 |
10,887円 |
50,000円 |
8月 |
764円 |
10,764円 |
40,000円 |
9月 |
611円 |
10,611円 |
30,000円 |
10月 |
443円 |
10,443円 |
20,000円 |
11月 |
305円 |
10,305円 |
10,000円 |
12月 |
147円 |
10,147円 |
– |
合計 |
9,448円 |
109,448円 |
– |
※金融機関の非営業日は考慮せず、毎月27日に支払う前提で計算
10万円を借りてリボ払いで元金を月々1万円返す場合、3月から12月まで10回返済することになり、利息の合計は9,448円です。
毎月かかる利息は、借入残高に金利と1ヵ月間の日数をかけて計算します。毎月1万円ずつ返済すれば借入残高が減るので、毎月かかる利息も減っていく仕組みです。
ただし、初回に関しては「利用日の翌日から初回支払日までの日数」を用いて計算するので、2/2~3/27の54日間で利息計算を行います。
【利息計算の例】 <3/27に支払う利息> 残高10万円 × 金利18% ×54日 ÷ 365日 = 2,663円 <4/27に支払う利息> 残高9万円 × 金利18% ×31日 ÷ 365日 = 1,375円 |
利息制限法による上限金利とは
お金を貸し借りする際の利息をいくらにするのか、利息の金額や計算方法は金銭消費貸借契約を結ぶ際に決めることになります。
契約の内容は当事者同士が自由に決められるので、利息に関することも基本的には自由に決められますが、法律で上限が定められている点には注意が必要です。
利息制限法とは「お金を貸し借りする際の金利の上限を定めた法律」
お金を借りる側は貸す側に比べて立場が弱くなることが多い中で、金利をいくらでも高くできてしまうと借りた側が高額な利息を請求されて困ることが考えられます。そこで、借りる側を保護するために制定された法律が「利息制限法」です。
利息制限法では、お金を貸し借りする際の金利の上限を定めています。上限を超える金利で計算して利息を払わされた場合には、上限を超える部分は違法であり無効です。既に払ってしまった場合は元金の返済に充てられたものと見なされ、払い過ぎている額があれば過払い金請求を行うことができます。
上限金利は借入額によって変わる
利息制限法では、借入額に応じて上限金利を定めています。具体的な金利の上限は、以下のとおりです。
元本 |
上限金利(年利) |
10万円未満 |
20% |
10万以上100万円未満 |
18% |
100万円以上 |
15% |
例えば、消費者金融から50万円を借りる場合、金利の上限は年率で18%です。お金を貸す側が1年間で受け取れる利息は最大でも「50万円×18%=9万円」なので、この額を超えるような利息や金利を設定している貸金業者がいれば、違法という判断ができます。
まとめ
お金を借りるときには利息がかかり、利息の分だけ支払い負担が増えることになります。
利息は今回ご紹介した計算式を使えば計算できるので、あらかじめ金額を把握しておきましょう。無理なく返済できるのか、途中で返せなくなって困ることにならないか、シミュレーションしておくことが大切です。カード会社によって計算方法が異なることがあるので、借入額や金利、借入日数が同じでも利息が同じ額になるとは限りません。
金利の上限は、利息制限法によって決まっていて最大でも20%です。法定の上限を超える金利は違法であり、万が一違法な業者から借入れをした場合には利息を払い過ぎていて、過払い金を請求できる場合があります。
借金の返済でお困りの方は「スマサポ」にお気軽にご相談ください。