リボ払いとは?仕組みや分割払いとの違い、返済するときのコツまでわかりやすく解説!
リボ払いとは、クレジットカードの支払方法のひとつです。リボ払いにすれば月々の支払い負担を軽減できますが、手数料がかかる分、トータルの支払い負担が増える点に注意が必要です。リボ払いを使う場合は、メリット・デメリットの両方を理解した上で利用することが大切です。
この記事では、リボ払いとは何か、仕組みや分割払いとの違い、金利をもとに返済額をシミュレーションする方法を解説します。一括返済や繰上返済など、リボ払いの返済で負担を減らす方法も紹介します。
目次
リボ払いとは?
クレジットカードの支払方法には複数の方法があり、リボ払いも数ある支払方法の中のひとつです。リボ払いとはどのような支払方法なのか、まずは概要から見ていきましょう。
クレジットカードの支払方法は主に5種類
クレジットカードの支払方法には、主に以下の5種類の方法があります。
種類 |
概要 |
1回払い |
1ヵ月の利用金額を指定された支払日に一括で支払う方法 |
2回払い |
1ヵ月の利用金額を均等に分割して2回の支払日で支払う方法 |
ボーナス一括 |
夏または冬のボーナスが入るタイミングでまとめて支払う方法 |
リボ払い |
あらかじめ決めた一定の金額を毎月支払う方法 |
分割払い |
利用金額を3回以上の複数回に分割して支払う方法 |
※支払方法の名称が同じ場合でも具体的な内容は、カード会社ごとに異なる場合があります。
どの支払方法を使えるかはお店によって異なりますが、最もスタンダードな支払方法は「1回払い」です。締日までの1ヵ月に利用した金額が、次の支払日に一括で引き落とされます。
多くのカード会社では、1回払い・2回払いであれば手数料は無料、3回以上に分けて払う「分割払い」では手数料がかかることが一般的です。
「ボーナス一括払い」とは、ボーナスが出る時期に合わせて支払う方法で、一般的に手数料はかかりません。あくまでボーナスの時期に支払う方法であり、実際にボーナスをもらっているかどうかは問われないので、主婦やパートなど、ボーナスがない人でも利用は可能です。
「リボ払い」とは、利用金額や回数に関わらず毎月一定の金額を支払う方法で、1万円や2万円など、事前に決めた金額を毎月返済していきます。
リボ払いなら月々の支払い負担が減るが手数料(利息)がかかる
リボ払いでは、毎月の返済額が事前に決めた額で固定されるため、高額な商品を買った場合でもまとめて支払わずに済み、月々の支払い負担を軽減・分散できる点がメリットです。しかし、支払いを待ってもらう間、カード会社が定める金利に基づいた手数料(利息)がかかります。
分割払いと同じくリボ払いでは手数料(利息)がかかり、支払総額が増えて全体としては負担が増える点がデメリットです。リボ払いにすれば毎月の返済額が固定されて家計管理はしやすくなりますが、月々の返済額を少額に設定すると完済までの期間が長くなり、利息がかかる期間が長くなって支払総額が想像以上に高くなる場合があります。
リボ払いの返済方式と仕組み
リボ払いの返済方式は、主に「定額方式」と「残高スライド方式」の2つです。
両者は仕組みが異なるため、仮に買い物をして使った金額が同じでも、返済方式が違うと返済までにかかる期間や利息、利息を含めた返済総額が変わる場合があります。利用しているクレジットカード会社がどちらの方式を採用しているのか、確認するようにしてください。
1.定額方式
定額方式とは、毎月一定の金額を返済する仕組みです。後述する残高スライド方式とは違い、支払残高が増えても月々の返済額は一定で変わりません。
リボ払いの定額方式には「元利定額方式」と「元金定額方式」の2種類あり、月々の返済額に利息が含まれる方式が元利定額方式、含まれない方式が元金定額方式です。
例えば毎月の返済額が1万円の場合、元利定額方式では元金と利息を合わせた返済額が1万円なので毎月1万円を返済します。一方で元金定額方式では元金部分のみ定額で月々1万円を払う仕組みです。利息は別途かかるので月々の返済額は1万円に利息を加えた額になります。
2.残高スライド方式
残高スライド方式とは利用残高に応じた一定の金額を返済する仕組みで、利用残高によって返済額が変動する返済方式です。
月々の返済金額はカード会社によって異なります。
例えば、利用残高が10万円以内なら3,000円、10万円超15万円以内なら5,000円とカード会社が定めている場合、買い物をしても利用残高が10万円以内なら支払日の引落額は3,000円です。しかし10万円を超えると、引落額は5,000円に上がります。
リボ払いと分割払いの違い
リボ払いと分割払いは、利用金額を一括ではなく複数回に分けて支払う点では同じです。しかし両者は仕組みが異なるため、買い物で使った金額が同じでも返済までにかかる期間や利息額に違いが生じます。
例えば、分割払いで3回に分けて払う場合、3万円の買い物をしたケースなら1回の支払額は1万円と利息を加えた金額、6万円の買い物をしたケースなら1回の支払額は2万円と利息を加えた金額です。毎回の返済額が一定になるリボ払いとは違い、分割払いでは利用金額や支払回数によって、1回あたりの返済額が変わります。
リボ払いの利用方法
リボ払いの利用方法には、以下のような方法があります。
- 買い物をするときに支払方法をリボ払いに指定する
- 買い物をした後にリボ払いに変更する
- 自動的にリボ払いになるように設定しておく
リボ払いに対応しているお店であれば、買い物をする際にリボ払いで支払うことを伝えるとリボ払いにできます。
後からリボ払いに変更する方法は、買い物をしたときには1回払いや2回払いなど他の支払方法を選択したものの、クレジットカード会社のWebサイトやアプリで後からリボ払いに変更する方法です。
また、自動的にリボ払いが適用されるように設定している場合は、買い物をするときに他の支払方法を選んでも自動的にリボ払いが適用されて、支払方法がリボ払いに変更されます。
リボ払いは手数料に要注意!金利をもとにシミュレーションするときの計算方法
リボ払いにする場合は、カード会社が定める金利と利息をあらかじめシミュレーションして、トータルでの支払い負担がどれくらい増えるのかを確認するようにしましょう。
計算式
リボ払いでかかる手数料は、以下の式で計算できます。
- 手数料 = 利用残高 × 金利(年利) × 利用日数 ÷ 365日
例えば、4万円の買い物をして年利15%なら、1ヵ月(30日)だと利息額は「4万円×15%×30日÷365日=493円」です。支払日に一定額を支払うと残高が減っていくので、計算式の中の「利用残高」が減れば、翌月以降にかかる手数料も減っていきます。
具体例
【リボ払いの計算例】
日割計算の方法:支払日の翌日から次回支払日までの日数で計算(初回は締日の翌日から支払日までの日数で計算) |
この事例では、1/16~2/15の期間に利用した金額が10万円になり、その翌月3/10の支払日から毎月2万円を返済していくことになります。
支払月 |
利息 |
返済総額 |
支払後の残高 |
3月 |
945円 |
20,945円 |
80,000円 |
4月 |
1,019円 |
21,019円 |
60,000円 |
5月 |
739円 |
20,739円 |
40,000円 |
6月 |
509円 |
20,509円 |
20,000円 |
7月 |
246円 |
20,246円 |
– |
合計 |
3,458円 |
103,458円 |
– |
※金融機関の非営業日は考慮せず毎月10日に支払う前提で計算
毎月かかる利息は、利用残高に金利と1ヵ月間の日数をかけて計算します。ただし、初回に関しては「締日の翌日から支払日までの日数」を用いて計算するので、2/16~3/10の23日間で利息計算を行います。
【利息計算の例】 <3/10に支払う利息> 残高10万円 × 金利15% ×23日 ÷ 365日 ≒ 945円 <4/10に支払う利息> 残高8万円 × 金利15% ×31日 ÷ 365日 ≒ 1,019円 |
10万円の買い物をしてリボ払いで月々2万円を返す場合、利息の総額は3,458円です。この額だけ負担が増えることになります。
また、同様の条件で月々の返済額だけ2万円から5千円に変えた場合、利息の総額は12,855円です。月々の返済額が減って毎月の負担は減りますが、完済までの期間が長くなる結果、長期間に渡って利息がかかり続けて負担が増えることがわかります。
「リボ払いを使いすぎてやばいことに…」とならないために意識すべきポイント
リボ払いについて何も知らずに使うと「こんなに利息がかかると思っていなかった」「利息の総額がやばいこと…」となってしまい、返済に困ることになりかねません。リボ払いを使う場合は、以下で紹介するポイントを押さえながら利用するようにしましょう。
支払方式や金利は事前によく確認する
リボ払いの内容は、カード会社によって異なります。利用金額が同じでも支払方式や金利が違えば利息額に違いが生じるので、事前によく確認することが大切です。勘違いすると、想像もしていなかったような額の利息がかかって高額な請求がくる場合があります。
またカードを新規に作成する場合、初期設定で支払方法がリボ払いに設定されるカード会社がある点に注意が必要です。気づかずにリボ払いのままになっていると、利息がかかって負担が増えてしまいます。
利用明細を確認して計画的に利用する
何となくリボ払いを使い続けていると、気づかないうちに支払い金額が膨れ上がって、返済が難しくなる場合があります。未返済額がいくらあるのか定期的に確認し、各月の利用明細を確認して使い過ぎに注意しながら利用することが大切です。
また、毎月いくら返すのか、月々の返済額を適切な金額で設定することも重要になります。高く設定すると返済自体が難しくなったり普段の生活に支障が出たりする可能性がある一方で、低く設定すると完済までの期間が長くなり、利息が膨れ上がって寧ろ返済が難しくなるリスクがあるからです。
先ほど利息額のシミュレーションを行う中で「10万円の買い物をして、毎月の返済額が5千円だと利息は12,855円になる」ことを紹介しましたが、そもそも月々5千円しか払えない状況の人にとって、1万円以上の追加負担は決して軽くありません。カード会社のシミュレーションサイトを使って、事前に利息総額を確認するようにしてください。
一括返済や繰上返済を積極的に活用して利息を減らす
リボ払いでは毎月一定の金額を返済していきますが、お金に余裕ができて途中で支払えるようになった場合は、Webやアプリで手続きをすれば追加で支払うことが可能です。
未返済額を途中でまとめて返済する一括返済や、未返済額の一部を追加で返済する繰上返済を行えば、追加で支払った分だけ未返済額が減って利息が減ることになります。
まとめ
買い物をするときにリボ払いにすれば、まとめて支払わずに済むため月々の支払い負担を軽減できますが、カード会社が定める金利に基づいた手数料(利息)がかかります。
分割払いとは違い、リボ払いであれば利用金額や回数に関わらず毎月の支払額が固定で把握しやすい一方で、よく考えずに使うと利用残高や利息が膨れ上がって、支払い額の負担が大幅に増える場合があるので注意が必要です。
返済が難しくなった場合は、早急に対応する必要があります。リボ払いの返済でお困りの方は「スマサポ」にご相談ください。